こちらに引っ越してせっかく大きなオーブンがあるものの、新型コロナウイルスの影響で小麦粉やイーストがなかなか手に入らず、この状況が落ち着くまでは、しばらくパン作りはできないと諦めていました。そんな中、

 小麦粉や水で酵母種を作って、市販のイーストを使わなくても、「サワードウ・ブレッド」というパンが焼ける

 ということを、友人が教えてくれました。


 そして、なんと!タイミングよく、材料の全粒粉と強力粉、中力粉が手に入りました!(*^^*)せっかくなので、

「サワードウ・スターター」という自家製酵母作りに初挑戦です♪

 作り方は、アメリカで小麦粉を生産しているKing Arthur 社(キングアーサー社)のサイトを参考にして、パン職人の経験のある友人からアドバイスをもらいながら作りました。
 https://www.kingarthurflour.com/recipes/sourdough-starter-recipe

目次

  1. はじめに(ポイント)
  2. 使った材料
  3. 使った道具
  4. 作り方
  5. 我が家のサワードウ・スターターができるまで
  6. 「混ぜない分のたね」どう使う?
  7. 使った小麦粉について
  8. 日本の小麦粉は?
  9. まとめ

1.はじめに(ポイント)

◎”unbleached flour”(漂白されていない小麦粉)を使った方がいいです。

 参考にしたサイトによれば、5日~1週間ほどでサワードウ・スターターができるようですが、今回の我が家のスターターは2週間以上かかりました。

 この記事の「5.我が家のサワードウ・スターターができるまで」を読むとわかりますが、使った小麦粉の違いが理由だと考えられます。(^_^;)

グラスコップや空き瓶などの、十分な高さのある容器を使った方がいいです。

 上手くいって酵母が活発になれば、最終的には2倍ほどにふくらみます。容器からあふれないように、十分な高さのものを使いましょう。透明な容器だと、横からたねの状態が見えやすいです。

2.使った材料

手作りパン:自家製酵母作り7日目
  • 全粒粉 (whole wheat flour)
  • 漂白された中力粉
    (bleached all-purpose flour)
  • 強力粉 (Bread flour)

シンプルな材料でサワードウ・スターターが作れます。

◎”unbleached flour”(漂白されていない小麦粉)を使いましょう。
水は、フィルターや浄水器に通したものかペットボトルの水がいいみたいです。

3.使った道具

  • ボウル
  • スプーンなどの混ぜるもの
  • コップや瓶などの高さが十分にある入れ物
  • キッチンスケール(はかり)
  • ラップ
  • 輪ゴム
手作りパン:自家製酵母作り8日目

日本語と英語のレシピを参考にする我が家では、グラム(g)もポンド(lb)表示されるキッチンスケールが大活躍です。日本のアマゾンにも単位変換できるものがあります。

4.作り方

◎1日目に作ったたねに、えさ(小麦粉と水)を与え、酵母を活発にさせるというやり方です。

手作りパン:自家製酵母3日目

【1日目】
十分な高さのある容器に、全粒粉と水を同量ずつよく混ぜる。かるく蓋をして、24時間置く。

【2日目】
1日目のたね半分、同量の小麦粉、水をよく混ぜる。かるく蓋をして、24時間置く。

【3日目~】
2日目のたね半分、同量の小麦粉、水をよく混ぜ、かるく蓋をして置く。これを12時間くらいあけて1日2回する。

【5日目~7日目】
気泡がたくさん見えて2倍ほどに膨らむまで、3日目の工程を続ける。

【2倍ぐらいになったら】
もう一度、たね、小麦粉、水を同量まぜて、6~8時間置く。(我が家は4時間で2倍以上になったので、6時間待たずに使いました。)

ここまでの工程を経たら、パンの材料と混ぜて使います。

◎読むと難しそうに感じるかもしれませんが、やることは「混ぜるだけ」。1日10分くらいしかかかりません。意外とシンプルです。

5.我が家のサワードウ・スターターが
できるまで

  今回は品薄状態の中で手に入った小麦粉を使ったので、参考にしたサイトの材料とは違う小麦粉を使って、半分の分量で作ってみました。


1日目 ◎全粒粉70g:水70g

 全粒粉と水を混ぜ、グラスコップに入れ軽くラップをかけておいた。水が少ないかもと思うくらい粘りが強い。どれくらい膨らむか比べられるように、青いゴムをつけておいた。


2日目 ◎たね70g:中力粉70g:水70g

 1日目より膨らんでいた。見た目は気泡が見えてふかふかした感じだったが、混ぜると粘りが強く、ほんの少しアルコールっぽい香りがした。1日目のたね70g、中力粉70g、水70gを混ぜる。1日目と同じように、ラップをかるくかけておいた。


3日目 ◎たね70g:中力粉70g:水70g

 3日目からは、1日に2回えさを与える。2日目のたねを混ぜると、ほんの少し酸っぱい香りがした。前日のような粘り強さはなく、ちょっとかためのドロッとしたパンケーキの生地みたい。2日目のたね70g、中力粉70g、水70gを混ぜて、ラップをかるくかけておいた。


4日目~8日目 ◎たね70g:中力粉70g:水70g

 3日目のタネより酸っぱい香り。前日よりはやわらかく、トロッとしている。膨らまなかった。これまでと同じように、たね、中力粉、水を混ぜて、ラップをかるくかけておいた。
 4日目以降も、1日に2回えさを混ぜるが変化が見られず、8日目になってもほぼ同じ状態。

注意:入れている容器が違うので、右の方が多く見えますが、左右の写真とも同じ量です。

 参考にしたレシピによると、5日目から7日目あたりで2倍くらいに膨らんで気泡がたくさん見えてくるころですが、8日目になってもあまり変化がありません。

 なぜ変化がないのか考えたところ、これまでえさに使っていた中力粉が”bleached flour”(漂白された小麦粉)であったことがわかりました。パン職人をしていた友人に確認すると、

◎”unbleached flour”(漂白されていない小麦粉)を使った方がいいとのこと。

参考にしたサイトの材料にも、“unbleached all-purpose flour”(漂白されていない中力粉)と書かれています。日本人の私には、漂白/無漂白の小麦粉という感覚がありませんでした(^_^;)ちょうど手に入っていた別の” bleached(漂白された) “と書かれていない小麦粉がありました。とうことで、

翌日9日目からは、強力粉でしたがその小麦粉を使ってみました。


9日目 ◎たね70g:強力粉70g:水70g

 ここからは別の小麦粉(強力粉)を試してみた。これまでと同じように、1日に2回、たね、強力粉、水を同量ずつ混ぜる。


10日目~13日目 ◎たね70g:強力粉70g:水70g

 相変わらず、あまりふくらまないが、日を追うごとに気泡が多くなってきた。また、小麦粉の香りなのか、ほんの少しの酸っぱい香りとともに、パンのような香りもするようになった。とろっとしているけど、なめらかでよく伸びるようになった感じがした。


14日目 ◎たね70g:強力粉70g:水70g

 ようやく膨らんだ!表面に気泡がたくさんある。これまでと同じようにえさを混ぜる。ほんの少しアルコールっぽい香りがする。


15日目 ◎たね半分:強力粉70g:水70g

 前日よりさらに、もこもこと膨らんでいる!いつもと同じように1日に2回えさを混ぜる。

 参考にしたレシピの半分の量で作ったので、夜にえさを混ぜたときには、たねを半分ずつ容器に分けて2つにして、それぞれにえさを混ぜた。次の日に、パンを作るときに十分な量を確保するため。


16日目(パン作り当日) ◎たね半分:強力粉70g:水70g

 パン作りに使う前に、もう一度えさを混ぜて4時間ほど置き、酵母を活発にさせる。横から見ても、気泡がたくさん見える状態。

 必要な分をとってパン作りに使います。残ったたねは、空き瓶などに入れてえさを混ぜ、かるく蓋をして室温に数時間おき酵母を活発にさせます。

 その後、冷蔵庫に保管し、週に1回これまでと同じように、たね、小麦粉、水を同量ずつ混ぜて、えさを与え続けて、パンを焼くときに使うことができます。


6.「混ぜない分のたね」どう使う?

サワードウのディスカードを使った手作りクラッカー
discardで作ったクラッカー

 前日のたね、小麦粉、水を同量ずつ混ぜてスターターを作りますが、毎回混ぜない分のたねが出てきます。

 えさと一緒に混ぜない分のたねを、英語のレシピでは”discard”(ディスカード)と呼んでいます。

 「廃棄」や「不要なもの」という意味があります。

 このディスカードですが、捨てずに空き瓶やタッパーなどにためて冷蔵庫に保管しておくと、パンケーキや、クラッカー、トルティーヤを焼くときなどに、材料と混ぜて使うことができます。ソースやカレーにとろみをつける時に使うこともできます。

7.今回使った粉

 今回使った粉は、

1日目 全粒粉 whole wheat flour
2日目~8日目 漂白された中力粉(bleached all-purpose flour)
9日目~16日目 「漂白された”bleached”」と書かれていない強力粉(bread flour) 

 小麦粉を変えて1週間ほどでスターターができました。

9日目~16日目に使ったこの強力粉、実は”bleached(漂白された)”とも”unbleached(漂白されていない)”とも書かれておらず、原料”ingredients”に、”wheat flour(小麦粉)”とありました。

 もし、漂白されているのであれば、原料にも”bleached flour(漂白された小麦粉)”か”enriched bleached flour(栄養強化のビタミンなどが添加された漂白された小麦粉)”と書かれていると思います。

 ちなみに使った強力粉は、pillsburyのbread flourです。

8.日本の小麦粉は?

 一般的に市販されている日本の小麦粉が漂白されているかどうかについては、はっきりとしたことはわかりませんでしたが、日清製粉のウェブサイトには、漂白されていないと明記されていました。
https://www.nisshin.com/customer/faq/product01.html

 他の製粉会社の小麦粉についてははっきりとした情報がみつかりませんでしたが、ネットでは「昭和52年以降、漂白剤は使用されておらず、国内産、外国産を問わず無漂白。」と書かれている記事がいくつかありました。

 また、日本のレシピサイトにもサワードウのレシピが紹介されているものがあり、小麦粉と水だけで作る方法や、ヨーグルトを混ぜて作る方法もあるようなので、日本の小麦粉でもサワードウが作れるかもしれません。

9.まとめ

 ここまで読むと、難しそうに感じるかもしれませんが、

・材料は、「全粒粉・小麦粉・水」の3つ。
・たね、小麦粉、水を同量ずつ混ぜるということを1週間ほど繰り返す。

これだけです。混ぜるだけなので、かかる時間も1日10分ほど。パン作りに使えるようになるまでに少し忍耐が必要ですが、意外とシンプルな工程です。

 初挑戦の自家製酵母「サワードウ・スターター」でしたが、前半は最初の数日以降だんだんと変化が見られなくなっていきました。

 しかし、後半の9日目からは小麦粉を変えて続けてみたところ、気泡が増えていき、最終的にはもこもこと膨らんでサワードウ・スターターができました。

 参考にしたキングアーサー社のレシピは「漂白されていない中力粉」を材料にしていますが、我が家では「強力粉」に置き換えて作りました。

 このことことからも、「漂白されていない小麦粉を使うこと」がポイントになるのではないでしょうか…。また、温度にも気を付けた方がいいと友人から、アドバイスをもらいました。低すぎると酵母が活発にならず、高すぎると死んでしまうようです。

 ポイントをまとめてみると、

・漂白されていない小麦粉を使う(”unbleached flour”)
・水は、フィルターや浄水器に通したものかペットボトルの水がいい
・温度は、21℃~26℃くらい(70℉‐80℉)

 (我が家は室温24℃~26℃くらいでした。75℉‐80℉)
・たね、小麦粉、水を同量ずつまぜる。

 (1日に2回あげれない時があっても、続けてみる)

 となるのではないでしょうか。あくまでも、私の初挑戦🔰から学んだことです。使う小麦粉や気候によっても、違いが出るかもしれません。

手作りパン。サワードウ・ブレッド

 このスターターを使って、軽くサクッと香ばしく、ちょっぴりもちっとした美味しい手作りサワードウ・ブレッドが焼けました♡パンを焼いた話は、また後日♪